ERPシステムをカスタマイズする方法はもう古い!その理由を解説
ERPシステムのカスタマイズはお金も時間もかかります。せっかく苦労して導入してもカスタマイズの方が大変だという声はここ数年でよく聞こえてきます。
そこで、こちらの記事では、ERPシステムのカスタマイズについてのメリットやデメリットをまとめました。
目次
ERPシステムのカスタマイズとは?
ERPシステムのカスタマイズとは、特定のビジネスまたは企業の要件を満たすようにシステム自体を変更することを意味します。
カスタマイズは基本となる機能にもよりますが、例として既存の機能の変更または強化、新機能やオプションの追加、タスク管理プロセスの追加、他システムとの連携などがあります。
実はERPシステムのカスタマイズは長年一般的な方法として多くの企業で行われてきましたが、近年その流れが変わりつつあります。
ERPシステムを企業の業務に合わせてカスタマイズしたものの、導入後に様々な問題を抱える企業が増えているからです。
アドオンとカスタマイズの違いとは
ここで少し説明したいのがアドオンとカスタマイズの違いです。
カスタマイズは、システムのプログラミングを変更することを意味するのに対し、アドオンは既存のシステムに特定の機能を導入するためのソフトウェアアプリケーションを意味します。
システムをカスタマイズするということは根幹を改造することなので、大がかりなものであるということがわかるでしょう。
アドオンであれば、システムは変更せずに機能を上乗せしていくイメージです。
アドオン開発について
ERPシステムで使用される開発言語には、SAPのABAPや、OracleのPL/SQLなどが用いられます。アドオン開発は初期コストだけでなく、長期的に見てメンテナンスコストも増加。
特にカスタムコードの修正や更新には専門知識が必要で、それに伴う人件費や開発費、またアップグレードの障壁や、ERPシステムのパフォーマンスへの影響、属人化のリスクも考慮しなければいけません。
アドオン開発は、ERPシステムを企業の特定のニーズに合わせるための有効な手段ですが、中小企業においては、こうしたデメリットを十分に踏まえた上で、慎重に検討する必要があります。
パッケージ・カスタマイズ・スクラッチの違い
さらに、カスタマイズの説明に入る前に、類似する言葉として「パッケージ型」「スクラッチ型」についても説明しておきます。
ERPシステムの構築方法には大きく分けて下記の3パターンがあります。
スクラッチ型
スクラッチ型ERPは、企業の独自の要件に完全に合わせてゼロからシステムを開発する方法です。
パッケージ型
パッケージ型ERPは、いわゆる「ERPシステム」と同義語です。あらかじめ汎用的な業務プロセスが設定された製品になります。
・パッケージ&カスタマイズ型
今回、解説するERPシステムのカスタマイズがこれにあたります。パッケージ製品を基に、一部カスタマイズを加える方法です。
ERPシステムをカスタマイズするメリット
これまで多くの企業がこぞってERPシステムのカスタマイズを行ってきたのは、大きなメリットがあると考えられていたからです。
ERPシステムをカスタマイズするとどのようなメリットがあると考えられてきたかというと、最も大きなものは、業務に合わせて作られるので既存の組織を変更する必要がないことです。
従来の業務をスムーズに行えるようカスタマイズされているのですから、最初こそ慣れるまで時間がかかっても、慣れれば大きな効率化が実現します。
業務や組織を変えるより、システムを変えたほうが楽だという考えからスタートしていると言えるでしょう。
ERPシステムをカスタマイズするデメリット
カスタマイズして最適化させたERPシステムも、カスタマイズが原因で様々な問題を引き起こすことがあります。
導入までに時間がかかる
自社に合わせてERPシステムをカスタマイズする際には、ヒアリングに始まり設計、開発から行ってもらう必要があります。
ただでさえ時間がかかるカスタマイズですが、対応できるエンジニアの数も不足していることから、数か月から数年は覚悟する必要があるでしょう。
その間に自社の業務や組織の方が変更されてしまうこともあるかもしれません。
費用が膨大になる可能性がある
まず既存のERPシステムをカスタマイズするとなると、追加でかかる費用は膨大になるでしょう。一般的にカスタマイズの費用は数十万円〜数千万円と言われており、規模や内容によって大きな幅があります。
さらに、カスタマイズ後は複雑化したシステムに対して行うことになるため、保守やメンテナンス費用もかかります。
バージョンアップができないもしくは大変
カスタマイズされたERPシステムは既存のシステムを書き換えているため、通常の方法ではアップデートができないことがあります。
仮にできたとしてもカスタマイズに合わせて行うため、時間がかかることが考えられます。
不具合が発生しやすくなることがある
あらかじめ決められた基本形でERPシステムの安定が確認されても、各社に合わせてカスタマイズした後に不具合が起きないとは言い切れないでしょう。
不具合が起きてしまった場合にも、カスタマイズを行った専門家の手でなければ修正できないケースもあるため、時間やコストがかかります。
ノンカスタマイズERPシステムのメリット
カスタマイズを行わずにERPシステムを導入した場合のメリットを見てみましょう。
導入期間の短縮
ノンカスタマイズERPシステムは、カスタマイズされたERPシステムよりも早く導入できるため、ビジネスプロセスの改善が迅速に実現できます。
導入維持管理費の軽減
ノンカスタマイズERPシステムは、カスタマイズに必要な開発やテスト、導入にかかるコストがかかりません。
また、ベンダーから提供される機能アップデートやパッチを適用することで、システムの機能拡張が可能なため、アップグレードや保守の作業が簡単になります。
ベンダーからのサポートも充実していることが多く、問題が発生した場合に迅速かつ適切に対応できます。
互換性の問題回避
ノンカスタマイズERPシステムは業界標準に基づいて設計されているため、既存のシステムや他のシステムとの互換性の問題を回避できます。
また、アップグレード時にも互換性の問題が発生する可能性が低くなります。
ERPシステムのカスタマイズを考える前に
ERPシステムのカスタマイズを行う前にできることを考えてみましょう。
業務内容を見直す
ERPシステムをカスタマイズする理由はそもそも自社の業務に合わせたいからということになりますが、既存の業務自体を見直すことで効率化につながるケースも多々あります。
カスタマイズを行う際の時間と費用を考えた時、自分たちで業務のやり方を変える方が効果が高いという場合には、取り組むことをおすすめします。
可能な限りアドオンで済ませる
ERPシステムを自社のニーズに合わせるためには、カスタマイズだけでなくアドオンを活用するという方法もあります。
アドオンならシステムを改変する必要がないため、アップデートできなくなるというようなリスクを抑えることができます。
他システムとのAPI連携を上手く使う
現在業務システムにはあらゆる種類のものがあるので、ERPシステムに合わせてうまく連携できるものがないか探してみましょう。
ERPシステムのカスタマイズをしなくても済むかもしれません。
クラウド型のERPシステムを導入する
ERPシステムをカスタマイズした後に最も問題となるのがアップデートが難しいという点ですが、こうした問題を解決できるのがクラウド型のERPシステムです。
もちろんクラウド型なら何でもよいということではないのですが、少なくともクラウド型ならアップデートやメンテナンスはベンダー側で対応してくれるため、導入した後も心配がありません。
むしろベンダー側でも常に最新の情報でよりよいサービスを提供する努力をしているため、時代に合わせた最適な機能を利用することができるでしょう。
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この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。