ERP導入コンサルティングとは?必要な資格や業務内容を解説
ERP導入コンサルティングとはERPシステムを導入して企業の経営上の課題を解決する仕事です。
各企業の課題を分析し、最適なERPシステムを導入するために伴走していきます。
ERPコンサルティングを行うのに必要な資格はあるのか、また具体的な業務内容について解説します。
目次
ERPコンサルティングとは?
ERPシステムを導入しようとするのは、経営を改善したいからという理由を持つ企業がほとんどです。
こうした中、ERPシステムを導入して業務を効率化するにはどのような方法がベストなのかを模索し、最適解を提案していくのがERPコンサルティングの仕事となります。
補足:ERPについて
ERP(Enterprise Resource Planning)は、販売、購買、生産、在庫・倉庫、財務・会計、人事・給与など、企業内のさまざまな部門や進捗の情報を一元化し、リアルタイムで確認ができるシステムです。
これにより業務の効率性を向上させることや、経営陣の判断材料などにも役立ちます。
製品には、SAP、Oracle、Microsoft Dynamics 365、NetSuite、Inforなどがあり、さまざまな業界や企業規模に合ったソリューションを提供しています。
ERPパッケージのクラウド化がトレンド
近年、ビジネス界で注目されている重要なトレンドの一つが「ERPパッケージのクラウド化」です。
クラウドシステムは、自社でサーバーやソフトウェアを設置する必要がないため、初期費用が大幅に削減できます。
さらに、ソフトの継続的な更新と保守が容易で、企業は常に最新の機能とセキュリティがアップデートされたシステムを利用できます。
また、機能拡張や向上に関してもスムーズに行えます。
ERPコンサルティングの役割を解説
ERPコンサルティングは、企業が業務や経営を改善させるため、企業の現状を詳しく調査し、最適なERPシステムの導入と運用をサポートします。
以下、いくつかの主要な役割について詳しく解説します。
会社の問題点をあぶり出す
ERPシステムの導入を機にコンサルタントが調査することで、企業の経営にどのような問題があるのか知ることができます。
日頃見えにくい問題点が様々なデータから可視化されます。
IT・システムの人材不足を補う
ERPシステムを導入したいと思っても、ITやシステムに関する知識を持つ人材がいない場合には、何から手を付けたらよいのかわからないため最適解を見つけにくくなります。
ERPシステムやITに関する知識豊富なERPコンサルタントに依頼することで、このような心配はなくなります。
導入後のPDCAを回す
仮に自社だけでERPシステムの導入ができたとしても、当初の目的である経営改善ができるかどうかは別問題です。
一緒に伴走してくれるコンサルタントがいれば、ゴールまでの近道が確実となるでしょう。
ERPコンサルタントに必要な資質や経験
実はERPコンサルティングの仕事を行うために必ず取得しなくてはならないという資格はありません。
ですが、場合によっては必要な資格があります。
SAP認定コンサルタント
ERP世界市場でもトップを誇るドイツのSAP社で主催する認定試験で、日本でも約50種類を受験することができます。
SAP社のシステムを扱うことができると判断されるアプリケーションコンサルタント、開発ができるデベロップメントコンサルタント、技術的なコンサルを行うテクノロジーコンサルタントといった内容に分かれています。
ORACLE MASTER
アメリカORACLE社のERPシステムは世界市場ではSAP社に次ぐ2位となっています。
ORACLE MASTERは日本ORACLE社主催によるデータベースの管理や運用力を認定する試験です。
ERPコンサルタントに必要な資質
上記のようにERPコンサルタントには必ずしも資格が必要ということはないのですが、必要な資質はあります。
ERPシステムに対する知識
ERPシステムを導入するためのコンサルでERPシステムについてを熟知するということは、第一優先事項です。
決められたERPシステムについて深く知ることが必要とされる場合もありますが、各企業の実情に合わせたコンサルを行うためには、それぞれのERPシステムにどのような特徴があるのかという幅広い知識も大切です。
ITに関する知識
ERPシステムはコンピュータを活用する形態となるため、ITに関する知識も必要です。
企業がどのようなネットワークを構築しているのか、またこれからしていく必要があるのかといったことを含め、ERPシステム導入にふさわしいハード並びにソフトの提案がポイントとなります。
財務会計に関する基本知識
企業の経営改善を行うためのERPコンサルなのに、利益度外視の高額なシステムを提案するわけにはいきません。
企業の会計についての知識があれば、システムを資産価値とした上での長期的な視野でコストの削減を実現できるはずです。
コミュニケーション力
上記の知識が必要なERPコンサルタントですが、知識ばかりでは一方的になってしまいます。
企業が望んでいることをしっかりと聞き、理解できるコミュニケーション力は知識と同様、あるいはそれ以上に必要となります。
課題解決力
ERPコンサルティングではどのように経営を改善していくかという解決能力無しに進めることはできません。
クライアントの話を聞いているだけでは成立せず、最適なERPシステムを導入することで経営が改善してこそ役割を果たせるのです。
プロジェクトマネジメントスキル
コンサルタントはプロジェクトが予定通りに進行し、予算内で目標を達成するためのドライバーにならないといけませんので、リソースの適切な配分、時間の管理、リスクのコントロール、および企業(顧客)との円滑なコミュニケーションなどといったプロジェクトマネジメントスキルが必要になります。
SAPやOracleなどのERPパッケージ導入実績
ERPコンサルタントには、SAPやOracleなどの主要なERPパッケージを導入した実績が求められます。
過去の経験を元に、コンサルタントは企業に対して最適な方法を導き出して、どういった仕様にするのかをリードして決定していきます。
ERPコンサルティングの主な業務や仕事内容
ERPコンサルティングではどのような業務を行うのか、仕事内容を説明します。
課題の分析
まず、ERPシステムを導入する以前にどのような経営課題があるのか調べます。
そしてERPシステムを導入するとどの程度解決できるのか予測し、データを可視化します。
要件定義
例えばERPシステムを企業に合わせて開発する場合、ゴールを決めてどのようなシステムを作っていけばよいのか、必要な機能など詳細を決めるのが要件定義です。
ERPコンサルタントの役目は経営改善なのだから、そのゴールに向かって決めればよいという簡単なものではなく、経営陣、現場のスタッフ、IT部署など多くの要望をうまくまとめなければいけない大仕事です。
プロジェクト管理
ゼロから導入していくのか、もしくは既存システムからの入れ替えなのかにもよりますが、新しいERPシステムを導入する作業を円滑に進められるよう管理していくのもERPコンサルタントの仕事です。
導入後のサポート
ERPシステムが無事導入された後でも、当初のゴールである経営改善という課題を解決しなければなりません。
そのため、ERPシステムの導入後も目標達成に向けサポートを行います。
システム導入後の運用支援と改善
ERPシステムが無事導入された後でも、当初のゴールである業務や経営の改善という課題を解決しなければなりません。
また、システム導入後の運用支援と改善フェーズでは、システムのパフォーマンスの監視と、必要に応じて行われる改善点の洗い出しも含まれます。
コンサルタントは、企業が新しいシステムを最大限に活用し、ERPシステムの導入後も目標達成に向けたサポートも行います。
ERP導入コンサルティングの単価
ERP導入コンサルティングを依頼したいという場合には、どれくらいの相場なのか知っておく必要があるでしょう。
ただし、やはり導入するERPシステムの種類によって金額は大きく異なるのが現状です。
冒頭でお伝えしたように、資格が必要となるERPシステム導入コンサルの場合は、月間で100万円単位の料金がかかることが多いようです。
中小企業向けのERPシステムの導入コンサルであればそこまではかからないとしても、コンサルだけで数十万円単位ということを考えておく必要があります。
コンサルタント不要で導入できるERPなら「キャムマックス」
これまでERPコンサルティングについて説明してきましたが、実はこのようなコンサル不要で導入できるのがキャムマックスです。
というのも、キャムマックスは中小企業向けに開発されたERPシステムですから、大がかりな仕組みは不要です。
インターネット環境さえ整っていればすぐに導入でき、簡単に操作することもできます。
もちろん導入からアフターサポートまでしっかりしていますので安心です。
ERPシステムを導入したいけれどどうしたらよいかわからない、コンサルティングをお願いした方が良いのではとお悩みの企業様は、ぜひ一度キャムマックスまでご相談ください。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。