発注管理とは?具体的な業務内容と発注管理システムのメリット・デメリットをご紹介
購買管理

発注管理とは?具体的な業務内容と発注管理システムのメリット・デメリットをご紹介

発注管理とは


発注管理とは発注する商品や材料を管理する業務を指しますが、まずは発注とは何かについて説明します。


発注とは自社のサービスを提供するために必要となるものを仕入れる業務です。製造業で商品を作るのに必要な原材料の仕入れや、卸売業であればメーカーから商品を仕入れる業務などが該当します。発注は自社で販売する商品よりも多い品目を管理する必要があり、価格や数量などを細かく管理・調整しなければなりません。


発注管理は、仕入れのコスト管理や在庫数が適正な数に保たれるように管理して、利益確保や欠品防止に繋げる重要な業務です。ただし、発注管理と一口にいっても、発注先の選定や仕入れスケジュールの管理など発注管理の仕事は多岐に渡ります。



発注管理の主な業務と流れ


発注管理で重要なのは、コストを抑えつつ、過剰に在庫を抱えたり在庫が欠品してしまったりしないよう、仕入れの量やスケジュールを調整することです。発注管理の流れは大きく4つに分けられますので、順を追って解説していきます。


購買依頼書の作成


はじめに行うことは、購買する物の品目や量を記載した購買依頼書の作成です。


発注先に依頼をするために、担当者は商品名・個数・納期といった情報をまとめて、発注内容を明確にします。この時、現在の倉庫内にある在庫数や今後の売上予測などから必要在庫数を導き出し、在庫数が適正に保たれるよう仕入れを行わなければなりません。


発注してから仕入れた物が届くまでの期間や、仕入れた物を加工して商品にするまでの期間なども考慮する必要があるため、仕入れる物が多いほど業務も複雑になります。


発注方式の決定


発注には主に以下の2つの方式があります。


定期発注方式


あらかじめ決まったタイミングで発注を行う方式であり、例えば、「毎月第二、第四水曜日に発注を行う」といったことを社内で取り決めておくことを指します。


定期発注方式のメリットは商品の欠品を防ぎやすい点と、場当たり的な発注業務を無くして業務効率化が図れる点です。しかし、発注量はその都度の在庫状況から判断する必要があるため、判断を誤ると在庫の余剰や欠品が生まれる可能性もあります。


定量発注方式


あらかじめ決められた在庫数を下回ったタイミングで、一定量の発注を行う発注方式であり、例えば、「倉庫内にある商品Aの在庫数が50個以下になったら50個の発注を行う」といったルールを設けることを指します。


定量発注方式のメリットも定期発注方式と同様に欠品を防げることですが、需要の予測に関係なく機械的に発注するため、繁忙期の欠品、閑散期の在庫余剰が起きやすいというデメリットがあります。


仕入先の選定


仕入れる品目ごとに、適切な仕入れ先を選定します。

発注先に購買依頼書の内容を伝え、価格・納期・数量といった情報を確認します。


発注担当者はより安い価格で、早く納品できる取引先を優先すべきですが、大量発注を受けることが得意な会社や、多品種少量の発注に応えてくれる会社など、それぞれの取引先に特徴があるため、過去の購買履歴なども確認しながら効率的に選定しましょう。


注文書の作成・送付


発注先の選定が完了したら、注文書を作成して発注先に送付します。注文書には、発注する商品・数量・価格・納期などの情報を記載しましょう。

発注管理システムを活用する


発注管理業務は上記の4つのプロセスからなり一見シンプルに見えますが、仕入れる品目が多ければ仕入れ先も増え、仕入れ先の選定にかかる時間も増えます。


また、膨大な仕入れ品目の全てに対して最適な仕入れを行うことは、アナログな管理では限界があるため、発注管理システムを活用して効率的に発注管理を行うことをおすすめします。


発注管理システムの主な機能


発注担当者は全ての品目で最適な仕入れを行うために、仕入れのデータ整理や過去の発注履歴の管理、仕入れのスケジューリングなどの業務を行う必要があります。発注管理システムには、これらの業務を支援する機能が充実しています。


購買計画機能


購買計画とは、製品の生産や販売の計画を元に、いつまでに何を仕入れれば良いかといった情報をあらかじめ決めておくことを指します。


購買の計画をシステム上で管理することで、発注漏れを防ぎ生産計画をスケジュール通り進められます。


仕入先管理機能


過去の発注履歴を蓄積することで、発注の際に適切な仕入れ先を判断するのに役立つ情報が得られます。


特定の品目が、どこの仕入れ先からいくらで購入したのかといった情報を参考にすれば、仕入れ先の選定作業がグッと楽になるでしょう。また、システムによっては品目を入力すると最低価格で購入が可能な仕入れ先の候補を提示してくれるものもあります。


取引契約機能


取引契約機能は、契約内容を電子化していつでも過去の取引情報を参照できる機能です。


契約書を紙で保管していた場合、過去の取引内容を確認する作業に非常に手間がかかりますが、システム上で管理することで取引内容の確認作業を効率化できます。


また、契約書を電子化できるシステムを活用すれば、郵送やFAXなどの締結方法と比べて時間とコストの削減にも繋がります。


発注管理機能


これまでの発注内容や現在発注している内容がシステム上で閲覧できる機能です。

システム上で共有することにより、誰もが現在の発注状況を把握することができるため、二重に発注してしまうミスや、生産部門への報告に時間がかかってしまうといった手間を無くすことが可能です。


価格管理機能


品目ごとにこれまで購入した価格をシステム上で管理することで、仕入れ先の選定業務に活用できます。また、品目だけでなく数量や納期といった情報も加味して最安値の取引先を選定するといった、条件ごとに最適な仕入れ先を探すのにも役立つでしょう。


納期管理機能


発注した物が届く日にちを管理することが出来る機能です。

納期を可視化することで、生産計画や販売計画の策定にも役立ち、製造業であれば工場の稼働率の向上にも繋がるでしょう。また、仮に納期が遅れてしまうことが分かった場合には、代替の生産計画が立てやすくなることもメリットです。


品質管理機能


自社が求める品質基準を満たしている仕入れ物の数を管理する機能です。

仕入れた物の品質が悪く、製造に利用できなかったり、販売できなかったりするケースがありますが、それがどの仕入れ先でいくつ発生したのか、といった情報をまとめることができます。

これにより、次回以降の仕入れ先の参考にもなるでしょう。


検収支払管理機能


製品の品質に問題が無いことを確認して検収作業を終えたら、仕入れ先への支払いを行います。

支払い先や支払い期限は品目によって様々であるため、支払い管理機能で一元的に管理することで、未払いや過剰支払いの防止に役立つでしょう。


発注管理システムを導入するメリット


発注管理システムを導入するメリットは以下の2点です。


仕入れコストの削減が期待できる


発注管理システムで過去の仕入れデータを蓄積しておくことで、決められた条件の中で最も価格の安い仕入れ先を選定することが容易になります。

選定の方法には、同じ条件でデータ抽出する方法や、システムによっては自動的に最安の仕入れ先を提示してくれるものもあります。


発注管理業務の効率化に繋がる


発注管理は品目ごとに納期管理や価格調整を行う必要があり、業務量が多くなりがちです。また、生産計画の確認など、社内に対しての調整業務も発生します。

発注管理システムは、購買計画表や発注内容の確認、それぞれの納期といった情報を一元的に管理できるため、品目ごとに発注内容を確認する時間の削減や、社内への余分な報告業務を省くことが期待できます。


発注管理システムを導入するデメリット


発注管理システムのデメリットは以下の2点です。


導入にコストがかかる


発注管理システムを導入する場合、初期費用や月額費用、またはその両方がかかります。

価格体系はシステムによって様々ですが、管理するデータが増えるほどコストが高くなる傾向にあります。


システム導入時に教育が必要


新しいシステムを導入する際には、使い方のレクチャーが欠かせません。

これまでアナログな管理を行っていた企業であれば、発注担当者がシステムを使いこなせるようになるまで時間がかかるでしょう。

さらに、導入時にはシステム導入担当者の時間も多く取られてしまうこともデメリットといえます。


キャムマックスでは発注管理と入荷業務が一元管理できる


キャムマックスを活用することで、発注業務と入荷業務を同時に効率化させることが可能です。


キャムマックスは倉庫や店舗ごとに定量発注、定期発注を設定して自動で発注データを作成するため、業務効率化と手作業によるミスの防止に繋がります。また、入荷のタイミングで仕入消込をかけることができるため、入荷業務と仕入れ業務を同時並行で実施できる点も非常に魅力的です。


キャムマックスで発注登録をしてみる


まずは画面上部(ヘッダー部などと呼びます)に入力していきます。


発注日は当日の日付が初期値として入力されます。問題がないか確認します。



買取受託区分は買取が初期値として入力されます。受託販売の場合は受託に切り替えますが、通常は買取で発注します。



希望納期を入力します。今回は3日後を指定します。



仕入先を入力します。🔍アイコンをクリックします。



ポップアップが開きます。検索をクリックします。


登録されている仕入先が表示されます。No欄の数字をクリックします。


仕入先と仕入先に付随する情報が自動入力されました。




次に画面下部(明細部などと呼びます)を入力していきます。


商品を入力します。🔍をクリックします。


ポップアップが開きます。検索`ボタンをクリックします。


登録されている商品の一覧が表示されます。



一覧のNo欄の数字をクリックします。


選択した商品の情報が自動で入力されました。



登録ボタンをクリックします。


実行しますか?のポップアップが表示されます。OKをクリックします。



登録が完了しました。一覧に戻って確認してみましょう。


登録した伝票が確認できます。


発注管理をエクセルで行う方法


発注管理をエクセルで行う場合に便利な関数とその使用例について、以下に解説します。


便利な関数


VLOOKUP関数


この機能は、指定したキーと一致するデータを別のテーブルから検索し関連する情報を取得するものです。

例えば、発注管理では商品コードや顧客名をキーとして使用し、該当する商品の情報や発注先の情報を簡単に取得できます。

具体的には、商品コードがA001である場合、商品マスターテーブルから商品名や価格などの情報を取得することができます。


以下は使用例です:

=VLOOKUP(A001, 商品マスターテーブル, 2, FALSE)

(A001は商品コードであり、商品マスターテーブルから該当する商品名を取得するためのものです)


SUM関数


この機能は、指定した範囲内の数値の合計を計算するものです。

発注管理では、発注数量や発注金額などの合計を簡単に算出することができます。


以下は使用例です:

=SUM(C2:C10)

(C2からC10のセルに記載された発注数量の合計を計算します)


IF関数


この機能を使用すると、指定した条件に基づいて処理を分岐させることができます。

発注管理では、在庫数が一定数以下になった場合に自動的に発注するようなルールを簡単に設定することができます。


以下は使用例です:

=IF(D2<50, "発注する", "在庫あり")

(D2のセルに記載された在庫数が50以下の場合、"発注する"と表示し、それ以外の場合は"在庫あり"と表示します)


XLOOKUP関数


最新のエクセルでは、ビジネスにおいて非常に頻繁に使用される関数があります。

この関数はデータの検索速度が速く、データ分析にも役立ちます。

※Excel 2021および最新のMicrosoft 365で利用可能


以下は使用例です:

=XLOOKUP(A001, 商品コードリスト, 商品名リスト)

(A001が商品コードであり、商品コードリストから該当する位置を検索し、商品名リストから商品名を取得します)



これらの関数を活用することで、発注管理業務を効率的に行うことができます。具体的な使用例を参考に、発注情報の管理や自動化、データの検索や集計などのエクセルテンプレートを作成してみましょう。


※引用元『Excel の数式の概要


無料テンプレート集


0から作成をするのは大変、難しいという方向けに無料で利用できるテンプレートがありますのでご紹介します。


発注管理の無料エクセルテンプレートまとめ|Office Hack


発注に関連する依頼日や承認日を記録できるテンプレート集です。

シンプルな発注管理の無料エクセルテンプレートから、フィルター機能が設定されているものや承認日等が記載できる発注管理テンプレートがダウンロードできます。


発注管理表(発注管理台帳・発注表・注文管理表)の書式・様式・フォーマット 雛形(ひな形) テンプレート02(エクセル Excel) - [文書]テンプレートの無料ダウンロード


発注管理表(発注管理台帳・発注表・注文管理表)のエクセルテンプレートです。主に庶務などで消耗品や備品を一括注文している場合に使用できます。

こちらのテンプレートでは、各部署や課からの購入依頼に関する情報を管理し、発注、入荷、引渡(または連絡)などの事務作業プロセスを把握・管理できます。


【建築業向け】発注管理書とは?無料エクセルテンプレートあり | 施工管理・業務管理システムなら【アイピア】


発注先、商品コード、商品名、依頼日、発注日などの情報を記録し管理することができるエクセルテンプレートが無料でダウンロードできます。

テンプレート内にはオートフィルタ機能や並び替え機能が組み込まれており、必要なフィルタやソート条件を適用することで、特定の条件に該当するデータの絞り込みや順序付けが可能です。

発注管理がアプリでできる!受注管理システム


エクセル、スプレッドシートより効率よく管理したいと言う方にはアプリやシステムなどがおすすめです。


OracleNetSuite



クラウドベースの統合基幹業務システム(ERP)です。受注管理機能も提供しており、受注業務を効率化し、正確な管理を行うことができます。

受注の受付から承認、スケジュール管理、追跡、フルフィルメント、支払までのプロセスを可視化し、タスクの自動化や業務の迅速化をサポートします。

また、顧客管理機能(CRM)も統合されており、リアルタイムに顧客情報を管理できます。


kintone



使いやすい受注管理システムで、初めて利用する方でも簡単に操作できるシンプルなインターフェースが特徴です。

受発注やそれらの管理など、煩雑で非効率な業務を自動化することができ、FAXやエクセルでの受注処理や帳票作成などの手間を大幅に削減できます。

さらに、受注管理売上管理などのさまざまな業務に合わせたアプリも利用できます。


BtoBプラットフォーム受発注 ライト



飲食業界をはじめ、化粧品、化学製品、生活用品、医薬品、資材、建材など、幅広い業界で利用されている受注管理システムです。

受発注データをクラウド上で確認、更新ができるので効率的に管理できます。

従来の電話やFAX、紙の手法と比べると、スマートフォンやタブレット端末からも発注業務を行うことができるので、情報の共有がスムーズに行えるようになり、各店舗のリアルタイムな状況を考慮しながら手軽に作業が行えます。

無料版のある発注管理アプリ(受注管理システム)


いきなりシステム導入は、コストなどを考えると即決できないという方には無料で使える発注管理アプリがおすすめです。


CO-NECT



受注業務をワンストップで行えるクラウドサービスです。

FAX、電話、メールなどの受注情報を一元管理することが可能です。

また、スマートフォンやPC上でいつでもどこでも受発注ができるので、利便性が高く、業務時間の削減やミスの軽減に繋がります。


注:無料版は月間受注件数:10回/取引先数:1件/データ保持期間:90日/ID数(出荷ID含む):1/機能:受発注管理のみ(2023年5月現在)

この記事を書いた人

ライター
株式会社キャム 取締役COO

下川 貴一朗

証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。

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