商品コードとは?JANコードとの違いや効率的な管理方法なども解説
商品コードとは、商品を管理するために作られる数字や文字の羅列です。
商品コードは使用する場所によって異なることも多く、同じ商品なのに判別できないということを避けるため、世界共通のJANコードへの統一も進められています。
こちらの記事では、このような複雑な商品コードの管理を効率化する方法についても解説します。
目次
商品コードの基本
商品コードとは?
商品コードは、製品や商品を識別するために使用されるコードです。
商品コードを使用することで、正確な商品の特定や追跡が容易になり、ビジネスの効率性向上につながります。
商品コードはバーコードやQRコードなどの形式で表示されることが増えており、スキャンすることで迅速に商品情報を管理することができます。
通常、商品コードは企業や業界ごとに独自の形式や規則に従っていますが、そうすると社外から見て何の商品なのかわからないという問題も生じます。
このような問題を解決するため、JANコードといった標準規格への統一が進められてきました。
商品コードの作成ルールと付け方
商品コードは、商品の識別と管理を容易にするための重要なツールです。
効果的な商品コードを作成するためには、一定のルールを理解し付ける必要があります。
関連性のない英数字の羅列や連番などで管理することはおすすめしません。
SKU(Stock Keeping Unit)単位で分ける
SKU(Stock Keeping Unit)は、在庫を管理するための単位で各商品や商品のバリエーションごとに独自の識別コードが与えられます。
例えば、同じTシャツでも異なる色やサイズごとに異なるSKUが必要です。
商品コードを付ける際は、それが明示的に特定できるようにすることが大切です。
商品の概要が分かるコード構造を意識する
商品コードは、メーカー、商品のカテゴリー、色、サイズなどを表す要素を組み合わせて作成します。
例えば、ブランド「LUCKY」の青色のTシャツのSサイズの場合、「LUC001-b-s」は、LUCKY(LUC)のTシャツ(001)の青色(b)のSサイズ(s)を意味します。
一貫性と規則性
一貫したコード(桁数や形式)を全ての商品に適用することで、商品の識別と管理が容易になります。
これにより、在庫追跡、注文処理、データ分析が効率的に行えます。
使用している在庫管理システムやPOSシステムとの互換性を確認し、商品コードがシステム要件に適合していることを確認しましょう。
半角数字で作成する
エクセルなどを使用している方であればご存じのように、数字が全角だと数値データとして認識されないため、商品コードは半角で表記しなければなりません。
また、桁数にかかわらず0で始まるコードにしてしまうと、頭の0は表示しないというルールにより削除されてしまうこともあるため、商品コードの最初の数字は0以外を使うようにしましょう。
商品番号とは?
商品番号とは、利用するシステムや企業によって「商品コード」と同様の意味で使われる場合もあります。
商品番号も通常、企業内部で使用される商品を識別するための番号であり、商品コードよりもシンプルで数字だけのものが多く、商品の特性を直接示すことは少ないことが多いです。
商品コードとJANコードとの違いとは
商品コードは商品の情報を文字や数字を並べて表したもので、JANコードは商品コードの一種です。
階層的には商品コード>JANコードになります。
世界標準の商品コードとして知られるJANコードについて詳しく見ていきます。
JANコードとは
JANコードのJANは英語のJapanese Article Numberの略ですが、日本だけでなく世界でも使用できるように作られています。
JANコードは国際的にはEANコードと呼ばれており、アメリカなどで使用される商品コードのUPCとも互換性があります。
JANコードのタイプと構成
JANコードには、13桁の標準タイプと表示箇所が狭い場合などに使われる8桁の短縮タイプという2つのタイプが存在します。
国際的に共通して使用できるよう、どちらのタイプも最初の2桁に日本を表す45または49が入ったGS1事業者コードが付与されます。
GS1事業者コードは、一般財団法人流通システム開発センターが発行して管理しています。
JANコード標準タイプでは、GS1事業者コードが7桁、9桁、10桁のいずれかとなります。
短縮タイプでは従来6桁のGS1事業者コードが発行されていましたが、2021年8月からは商品ごとに8桁GTINワンオフキーが付与される方法へと変更されています。
GS1事業者コードが含まれるタイプのJANコードは、このあとに個別の商品コードが数桁、チェックデジット末尾に1桁という構成になっています。
JANコードの作成方法
商品コードの中でもJANコードは世界中どこでも使用できますが、その分作成に関するルールも細かく決められています。
最初に、JANコード作成に必須となるGS1事業者コードを一般財団法人流通システム開発センターに申請して発行してもらう必要があります。
その上で、GS1事業者コードに続く商品コードを決め、最後にチェックデジットを取得して完成です。
チェックデジットは勝手に決めてよいものではなく、以下の一般財団法人流通システム開発センター公式サイトで取得する必要があります。
完成したJANコードをバーコードとして印刷するには、ズレを防ぐためにバーコード専用プリンターやソフトを使用して行うのが一般的です。
JANコードの決め方と注意点
JANコードは自動で割り振られるものではなく、申請者が自ら作成することになります。
ここでは、JANコードの決め方と注意点について解説します。
JANコードなら桁数に注意
JANコードの場合、割り振られるGS1事業者コードの桁数に応じて、自由に決めることのできる数列の桁数(商品アイテムコード)が存在します。
これらのルールにしたがってJANコードを作成する必要があります。
|
GS1事業者コードの桁数 |
商品アイテムコードの桁数 |
標準タイプJANコード |
7桁 |
5桁 |
9桁 |
3桁 |
|
10桁 |
2桁 |
|
短縮タイプJANコード |
6桁 |
1桁 |
※短縮タイプのJANコードのうち、GTIN-8ワンオフキーが付与されるものについてはこのワンオフキーそのものが商品ごとの番号になるため、商品コードを決める必要はありません。
商品アイテムコードはSKU単位で作成する
SKUは、在庫管理の最小単位を表しています。
たとえば、同じ商品でも味や形態に違いがあって在庫管理を分けているような場合に、これらの商品コードが重複しないようにする必要があります。
商品の種類を1と2に分けた後、さらに大と小のサイズで1と2に分けるという方法をとりますので、商品1の小サイズなら12で表すといった具合です。
SKUについて
SKUとはStock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)の略であり、在庫管理上の最小の管理単位です。商品のバリエーションごとに割り当てられることが多く、色、サイズ、タイプなど、商品の特定の属性を表すために使用されます。
Stock Keeping=在庫管理、Unit=単位
たとえば、あるTシャツが複数の色とサイズで提供されている場合、各色とサイズの組み合わせごとに異なるSKUを割り当てます。
これにより、メーカーや小売店は、在庫のレベルを正確に把握し、商品の受発注、販売、配送をより効率的に管理できるようになります。
商品コードの調べ方・検索方法
商品コードは、種類や用途によって調べ方が異なりますが、使用されている商品コードがJANコードであれば、商品名からJANコード、逆にJANコードから商品名などの情報というように検索することも可能になります。
専用のJANコード検索サイトもありますが、YahooやGoogleなどの検索サイトで「JANコード 〇〇〇〇…」というようにバーコードに表示されている番号を検索すれば、商品が表示されます。
商品コードの管理にシステムを使うメリット
このように、商品の数が増えれば増えるほど商品コードの数も増えるため、管理にはシステムの活用がおすすめです。商品コードをシステム管理するメリットは以下になります。
人為的ミスの削減
伝票に手書きで商品コードを書いているような場合は特に、システムを使用することで商品コード入力や作成中の人為的なミスやエラーを減らすことができます。
在庫管理がしやすい
商品コードを管理するシステムであればコードの作成も自動で行えるほか、バーコードによる読み取りも簡単にできるため、出入庫や移動時に生じるタイムラグがほとんどなくなります。
在庫情報をコードで管理することでピッキングのミスなども減り、無駄な時間を無くして迅速な出荷につなげます。
複数モールへの出品も簡単
楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど大手のECモールに複数出店しているような場合には、同じ商品なのに各モールで使用する商品コードが異なっているケースもよくあります。
そのような場合でも、商品コードを管理するシステムであれば、同じ商品として在庫を管理することができます。
商品コードを作って在庫管理するならキャムマックスがおすすめ
キャムマックスは、中小企業向けに開発されたERPシステムですが、実店舗や複数のECサイトを運営している場合に特におすすめです。
キャムマックスは販売管理や在庫管理だけでなく会計などECサイトの運営に必要な様々な業務を一元管理するためのシステムです。
今回のような商品コードを管理するという目的も、在庫管理機能の中にしっかり含まれているため、効率化が図れます。
商品コードが増えてしまって手動では管理しきれないといった問題を抱えている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。