セット商品とは?そのメリットや在庫管理を効率的に行うツールをご紹介
セット商品とは複数の商品を組み合わせて販売することを表していますが、実はマーケティングの手法として奥深い意味も持っています。
セット商品の組み合わせ方法はバラエティ豊富で、上手に活用すれば売上に大きく貢献します。
こちらの記事ではセット商品に関する内容や管理ツールをご紹介します。
目次
セット商品とは?
セット商品とはバンドル販売とも呼ばれ、複数組み合わせて販売する商品を意味し、マーケティングの手法としても用いられます。
セット商品は、お得な割引価格で販売するというイメージが強いかもしれませんが、セット商品の組み合わせ方法はそれだけにとどまりません。
セット商品最大の目的は、顧客に利便性やコスト削減などの価値を提供することです。一方で、企業は販売数増加、新規顧客の獲得、競合他社との差別化というメリットを得ることができます。
現在セット商品は、小売業に限らずテクノロジーや通信、エンターテイメントなどさまざまな業界で活用されています。
まとめ売りとの違い
まとめ売りは、単一の商品を複数個セットで販売する方法で、単品での購入よりも割安な価格設定がされ、顧客にとっては大量に買うことによって割引が受けられます。
そうすることで、大量購入を促進することができます。
さらに、特定の商品を複数買うと割引が適用される「数量割引」なども活用し、顧客の購買意欲を高めることができます。
セット商品販売の種類と例
セット商品の組み合わせ方法には多くの種類があるため、それらを例と合わせてご紹介します。
ばら売り不可
セットにしている複数の商品を個別に販売していない、固定型の方法です。商品Aが欲しければ必ずBも一緒に購入しなければならない場合や、すべての商品が揃って初めて活用できる場合などがこれにあたります。
ミールセットがこの一例です。ミールセットには1食の食事を調理するために必要な食材が含まれますが、この中でどうしても一つの食材だけをばら売りしてほしいと言ってもできませんし、逆に不要な食材があっても購入せざるを得ません。
顧客にとってはこのセットさえあればすぐに食事を調理できる便利な存在ですし、食材をまとめて購入することでコストも抑えることができます。
新商品との抱き合わせ
既存の定番商品と合わせて新商品をセットにするパターンでは、既存顧客への宣伝とともに新規顧客の獲得というメリットがあります。
たとえば、新しいゲームソフトと既存のゲーム機をセットにする方法がよく使われます。ゲーム機が無ければプレイできないため、新規顧客は「このゲームをプレイしたいからゲーム機を買おう」という気持ちになるでしょう。
選択制
価格を固定した状態で、好きな商品を選べるセット方法です。
スーパーの「よりどり3点で1,000円」といった商品や、レストランのランチセットがこれにあたります。
顧客は自分で選んでいるという感覚が強くなるため、安いから価値が低いという認識にはなりにくいです。
関連商品
ある商品に対し、無くても困らないけれどあると便利という商品をセットにする方法です。
たとえば、スマホとカバーのセットやタブレットとスタイラスペンのセットなどです。食品では肉と焼き肉のたれを組み合わせるという方法が使われます。
顧客の1回あたりの購入額を増やすことができます。
ギフトセット
日頃個別に売られている商品を組み合わせてギフトセットにすることもありますが、ギフトセット専用の商品もあります。
たとえば化粧品業界では、季節の限定商品としてギフトセットを販売することがあり、ギフトセットでしか手に入らない化粧品やポーチなどが付加価値を高めています。
おまけ
何か商品を買ったら必ずおまけがついてくるというのも、場合によってはセット商品の扱いとなります。
3つ購入したら同じものがもう1つおまけについてくるというような場合です。
おまけがつくということは割引と同じですが、直接価格を下げる方法と比較して、製品自体の価値を下げてしまうリスクが少ない方法と言えるでしょう。
セット商品販売のメリット
多くの企業がセット商品を販売するのは、以下のようなメリットがあるからです。
平均購入額の増加
通常であれば1つの商品しか購入しない顧客でも、セット商品にすることで複数の商品を購入することにつながります。
これにより、顧客1回あたりの購入額を押し上げるため最終的には販売量や売上を増やすことになるでしょう。
在庫の整理
商品によってどうしても在庫の増減に差が出るため偏りが生じますが、セット商品をうまく活用することでこの偏りを減らすことができます。
これは、在庫の保管コストを下げることにもつながりますし、セット商品にしたことにより従来よりも梱包材を減らすことができます。
広告宣伝費の削減
すでに売れている商品とセットにすることで、わざわざ新しい広告を出す必要が無くなり、広告費が削減できることもあります。
セット商品販売のデメリットや注意点
セット商品販売には大きなメリットがありますが、やみくもに組み合わせればよいということではありません。セット商品を販売する際の注意点を挙げておきます。
全体の利益が減少することがある
個別に商品を販売しても十分利益があるような場合には、それらをセットにすることで本来なら得られていた利益を得られなくなるということがあります。
これはセット商品にしたときに割引価格をつけたということが主な原因となります。
単体より価値が低いと思われることがある
顧客にセット商品が在庫整理の目的で販売されていると知られた場合は特に、「これは人気がない商品なんだ」と解釈されることがあります。
一度だけならまだしも、何度もそういったことが重なると、「セット商品=あまりもの」というようなイメージを植え付けることになりかねません。
軽減税率の適用について確認が必要なケースがある
食品と食品以外をセット商品にする場合には、原則として軽減税率が適用されないことになっているのですが、以下のどちらも満たす場合には適用されるため注意が必要です。
・一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)が1万円以下であること
・一体資産の価額のうちに当該一体資産が含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
セット商品の価格戦略
以下では、セット商品の価格設定、消費者心理への影響、および競合分析に焦点を当ててわかりやすく解説します。
セット商品の価格設定のコツはコストと価値のバランス
セット商品の価格設定は、商品のコストと提供する価値をバランスさせる大切な要素です。
まず、セットに含まれる各アイテムの個別のコストを計算してみましょう。
それからセットで購入することによって得られる顧客への追加価値を考慮します。
そうすることでセットでの購入による割引や特典を提供し、顧客にとって魅力的な価格を設定することで、セット商品の魅力を高めることができます。
価格戦略と消費者心理を極める! セット商品の魅力を高める方法
セット商品の価格戦略は、消費者心理に大きな影響を与えることができます。
たとえば、セット内のアイテムが個別に購入するよりもお得であると認識されることで顧客はセット商品に魅力を感じ購買意欲が高まります。
いわゆる、”まとめ買い割引”や、”セット特典”などです。
これらを活用することで消費者にセット商品を魅力を訴求することができます。
市場におけるセット商品の価格動向のチェックや競合分析が大事
競合分析(他社分析)は、セット商品の価格設定において不可欠です。
競合他社のセット商品や同様の製品の価格動向を調査した上で、差別化を考える際に価格差を調整するだけでなく、セット内のアイテムや特典を最適化することも検討することが大切です。
そのうえで、独自の価値を価格に反映させることがポイントです。
セット商品を効率的に管理する方法
単品と比較して様々なバリエーションのあるセット商品が増えると、その管理も大変です。効率的なセット商品管理の方法をまとめました。
顧客データを収集する
セット商品を管理する以前に、効率の良いセット商品を作ることが先決です。そのためには、顧客データを収集してどういった組み合わせをすればよいのか考える必要があるでしょう。
在庫管理から最適なセット商品を作る
顧客ニーズに基づいたセット商品も大切ですが、在庫整理の観点から最適な組み合わせを見つける方法もあります。
在庫管理がきちんと行われなければ、逆にセット商品が増えた分在庫が増えてしまうということにもなりかねません。
システムを導入する
セット商品に対応したシステムであることは必須ですが、在庫管理システムやERPシステムを導入することでセット商品の管理が一気に楽になります。
複雑な組み合わせにも対応しているシステムなら、単品でもセットでも販売することが可能となるため、利益を最大化することができるでしょう。
キャムマックスはセット商品の組立や分解が簡単にできるクラウドERPシステム
このように管理が複雑なセット商品に対応した在庫管理システムは大変便利ですが、在庫管理システム単体での導入は、他システムとうまく連携させるのに苦労することがあります。
その点キャムマックスは、セット商品の在庫も管理できて、その上バックオフィス業務も一か所にまとめることができるシステムなので、これ1台で企業内の業務効率化を図ることができます。
セット商品を扱う企業様は、ぜひキャムマックスの導入をご検討ください。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。