多通貨対応しているクラウドERPで作業効率アップ! 為替自動計算でさらに便利に
EC事業が活発になっている中、海外の仕入先を持つ企業様が増えています。
自社工場を海外に置き、原価を押さえるようなケースもありますし、海外の会社と直接取引をするケースもあるでしょう。
アパレルなどは中国からの仕入が多いイメージですが、韓国を含めたアジア圏の仕入先もよく見受けられます。
他にも食品、家具、雑貨、機械など、輸入したものをメインの商材とする企業も身近になってきました。
しかし、経営の側面から見ると、海外仕入先の増加に伴い、輸入仕入業務、為替計算などの負担が大きくなってしまいます。
購買管理システムでは輸入に対応しているものもありますが、ERPだと選択肢は多くありません。
今回は多通貨対応しているクラウドERPをご紹介します。
クラウドERPとは?
クラウドERPとは、クラウドサービスとして利用できるERPのことです。
そもそもERPとは?
ERPとは、Enterprise Resources Planningの頭文字を取ったもので、「企業資源計画」と訳されます。
もともと、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を上手く分配・配置して有効活用しようという考え方を指す言葉でしたが、これを実現するためのシステムを指してERPと呼ぶことも多いです。本コラムでは、システムとしてのERPを対象とします。
ERPには、販売管理機能や購買管理機能、生産管理機能、在庫管理機能、勤怠管理機能、給与計算機能、会計機能などの機能が搭載されています。
クラウドERPのメリット
クラウドERPを導入することで、時間や場所の制約を受けずにいつでもどこからでも利用できる、運用コストを抑制できるなどのメリットが得られます。
クラウドERPにも、クラウドの形態により、IaaS、PaaS、SaaSがあります。手軽なのはSaaSで、初期費用がかからないことが多く、よりコストを抑えられます。
また、プライベートクラウド、パブリッククラウドという分け方もできます。プライベートクラウドの場合、費用は高めですが情報セキュリティ面で安全というメリットがあります。
クラウドERPについて詳しくは、「クラウドERPとは何か? ERPの略称・歴史・メリット・おもな機能を紹介」をご覧ください。
多通貨ERPとは?
多通貨ERPとは、多通貨・多言語に対応したERPのことです。
EC事業者ではなくても、輸入仕入をされていらっしゃる卸業者・メーカーは少なくありません。バックオフィスで仕入の管理をする際、為替の計算、各国の会計、税務要件に合わせなくてはならないなど、国内の仕入と比べて複雑な処理が必要です。
こうした複雑な業務を効率化してくれるのが多通貨ERPです。
通貨ERPのメリット
多通貨ERPを導入していない場合、電卓を叩いて、あるいはExcelにマクロを仕込んで原価計算を行うことになりますが、いずれも管理方法として手間がかかり、大変です。
複数の通貨や言語を扱う場合は、その登録や為替変動への対応も煩雑な作業となります。
こうした業務を効率化してくれるのが多通貨ERPです。
多通貨ERPを導入することで、たとえば、発注の際に外貨で処理できたり、売上・粗利計算が正確に行えるといったメリットがあります。
また、通貨・言語の切り替えが簡単に行え、取得時レートで外貨と円貨で仕訳入力が可能です。
多通貨ERPの主な機能については、次章で詳しくご紹介いたします。
多通貨ERPの主な機能
多通貨ERPの主な機能として「為替自動計算機能」「外貨管理機能」「言語の追加・切り替え機能」が挙げられます。
為替自動計算機能
あらかじめ登録しておいた為替レートや、支払い時の評価替レートによる代金を自動で計算する機能です。
計算ミスを防ぎ、計算にかかる手間と時間を低減してくれます。
外貨管理機能
外貨建て取引を円建てに自動換算する機能です。
複数の通貨や為替レートを登録し、後から変更を行うなどの管理が可能です。
言語の追加・切り替え機能
標準言語を日本語としながら、英語や中国語、韓国語、フランス語、スペイン語などに切り替えて、入力や出力(帳票)が行える機能です。
多通貨ERPの比較
それでは多通貨に対応しているERPのご紹介を致します。
EXPLANNER/Z
EXPLANNER/Zは、日本電気株式会社(NEC)が提供するERPで、オンプレミス、クラウドの選択が可能となっています。
製造業をはじめ、建設業、サービス業などさまざまな業種、また、大企業から中小企業までさまざまな規模への導入実績を持ちます。
多通貨、多言語に対応しており、会社標準となる通貨である「機能通貨」と、各種伝票入力で入力する「取引通貨」の両方の管理が可能で、それぞれの通貨で日本円、米ドル、ユーロなどの複数の通貨を利用できます。
また、複数の外貨種類、レートの管理が可能で、未実現差損益計算のための月次や期末に評価替計算等外貨業務の効率化を実現できます。
GRANDIT
GRANDITは、GRANDIT株式会社が提供する国産の中小企業向けERPで、オンプレミス、クラウドの選択が可能となっています。導入企業数は1,300社以上。
EC機能や経理・経費精算機能、人事・給与機能など、用意されたさまざまな機能から必要なものを組み合わせて導入するスタイル。
多言語、多通貨にも対応しており、輸出、輸入、経費など、各モジュール(業務)での基軸通貨以外の通貨入力が可能です。
多言語対応については、オプション機能として英語、中国語が用意されています。
キャムマックス
キャムマックスは、株式会社キャムが提供する中小企業向けクラウドERPです。
多通貨機能はもともと、カスタマイズで対応していましたが、ノンカスタマイズ化に伴い、標準機能としてリリースしました。
通貨は都度、登録も可能。世界中の通貨の設定が可能です。
また、為替の変動があった場合は、管理画面から数字を入力するだけで対応可能です。これにより発注する際に外貨での処理が可能になり、輸入諸掛を商品原価として利用できるので、売上だけではなく粗利計算まで正確に行えます。
まとめ
ERPには、オンプレミスとクラウドがありますが、クラウドには、運用コストが抑えられる、いつでもどこからでも利用できるなどのメリットがあります。
ERPの中には、多通貨・多言語に対応したものもあり、EC事業者でなくても輸入仕入業を手がける卸業者・メーカーが少なくない今、輸入仕入業を効率化してくれる機能として重宝されています。
当社、キャムが提供するキャムマックスの多通貨機能は、そうした業務の負担を効率化できないかと考えて開発したものです。
キャムマックスの多通貨機能について、詳しくは以下をご覧ください。
キャムマックスは中小企業向けERPの機能充実度No1に選ばれました。
そのほとんどの機能が標準装備で、追加費用がかかることなく利用いただけます。
※調査方法:インターネット調査 調査概要:2021年6月 サイトのイメージ調査 調査提供:日本トレンドリサーチ
よくある質問
多通貨機能についてよくある質問をまとめました。
Q どの通貨でも対応可能なのでしょうか?
対応可能です。 通貨マスタ登録画面より利用したい通貨、為替、小数点の設定をしていただくことで自由にご利用頂けます。
Q 海外の拠点で利用することは可能でしょうか?
クラウドERPなので拠点を問わず利用可能です。インターネット環境とウェブブラウザさえあればどこからでもアクセスいただけます。
Q 仕入時と、処理時の間に為替変動があった場合どうなりますか?
変動があった場合でも、管理画面に新しいレートを入力して頂ければ、全てのデータが上書きされて変更されます。いつでも細かい修正が可能となっています。
Q 業種、業態によっては使えない場合などありますか?
キャムマックスは業種・機能による機能の制限はございません。お客様の業務フローに合わせて、使わない機能を表示/非表示して制御いただけます。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。